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京都の寺院

京都の東寺を訪れて。時空を超えて感じた弘法大師の熱い想い

東寺は京都市にある寺院で教王護国寺とも呼ばれ、本尊に薬師如来が祀られています。平安京の鎮護のために建てられた東寺は、嵯峨天皇から空海に託されます。

東寺は日本で最初に建てられた密教寺院で、空海は唐で学んだ密教を各所に取り入れます。深い信仰を集めて庶民に愛されてきた東寺は、現在でも京都の代表的な寺です。東寺は1934年に国の史跡に指定され、1994年には世界文化遺産に登録されます。創建当時は金堂と僧房しかなかった寺も講堂や五重塔、食堂などが次々と完成し繁栄します。

東寺は京都の東西を守る国家鎮護の寺

796年に国によって創建された東寺は京都の東西を守る役割を持ち、創建から20年後に嵯峨天皇が空海に管理を任せます。空海が亡くなった後に一時的に衰退しますが、現在では人気が高い観光スポットになっています。

遣唐使になり唐に渡った空海は密教の他に文化芸術も持ち帰ったため、嵯峨天皇が興味を持ち交流を深め東寺を託します。重要文化財の講堂は825年に空海により着工され、約10年で完成します。災害が起こり大破する度に修理が繰り返されますが、1486年に起こった土一揆で失われます。現在の講堂は室町時代に再興された建物で、堂内には大日如来像を中心に合計で21体の仏像が配置されています。

堂内には密教の教えを3次元の空間で表現した世界があり、立体曼荼羅と呼ばれます。立体曼荼羅は映像や写真などの2次元では捉え切れないもので、多くの人が実際に訪れて立体曼荼羅を体感しています。僧が食事や修行を行う食堂は1930年の火災で本尊が焼損しますが、修復後に宝物館に安置されます。

国宝の五重塔は京都の美しいシンボル

国宝の五重塔は京都の美しいシンボル

国宝の五重塔は京都の美しいシンボルで、日本一の高さを誇る木造の塔です。826年に金堂に続いて五重塔の創建に着手しますが、存命中には完成できず完成したのは空海が亡くなってから約50年後です。

空海は身分の上下を問わず、様々な知識を学べる教育機関を開設します。平安後期になると朝廷の財源が少なくなり、東寺の衰退が進みます。空海に帰依する人物が再興を目指しますが、山城国一揆で伽藍が焼失します。

鎌倉時代になると再び弘法大使信仰が高まり、東寺は皇族から庶民まで広く信仰を集めます。また、後白河法皇の皇女は夢のお告げにより、莫大な荘園を東寺に寄進します。空海に毎朝食事を捧げる儀式や月命日に供養を行う儀式も、初めて行われます。この2つの儀式は現在でも継続して行われ、毎月21日には東寺の境内に骨董市が立ちます。

その後も東寺は、織田信長や豊臣秀吉などの支援を受け少しずつ復興され、1603年になると豊臣秀頼により本格的な復興が始まり元の姿に近付きます。

美しい建物が持つ表現力を実際に体感して楽しむ

五重塔は落雷により焼失しますが、徳川家光が復興に着手して1644年に再建されています。千年以上も秘仏になっていた食堂と講堂の扉も、1965年に開かれます。

東寺は落雷や戦火によって創建当時の建物は残っていないですが、南大門や金堂などの建物が南北に真っ直ぐ並ぶ配置は平安時代のままです。東寺の金堂は桃山時代の代表的な建物で、現在は国宝に指定されています。金堂には本尊の薬師如来坐像を中心に日光菩薩と月光菩薩が安置され、本尊の台座には十二神将像があります。

空海が最も力を注いだのが講堂で、825年に着工して835年に完成しています。一度、土一揆による火災で焼失しましたが、現存している講堂は創建時の基礎の上に再建されます。

密教の理想が表現されている建物内には、美しい仏像が安置されています。曼荼羅は、人々を救済するために大日如来が様々な姿に変身するのを体系的に表現したものです。密教の悟りの境地や宇宙観を描いた曼荼羅が、東寺の講堂には3Dで表現されています。

数々の国宝と重要文化財を持つ東寺へのアクセス

真言密教がスタートした東寺には、様々な見どころがあります。朝の5時から開門している年中無休の寺なので、朝の早い時間帯に行くと混雑を避けられます。広い境内には石畳の平らな道があり、子どもや高齢者も歩きやすいです。

五重塔や金堂、講堂は有料ですが境内の多くは自由に拝観できます。特別公開の期間中は、日頃見られない建物の内部まで見せてもらえます。東寺はJR京都駅から徒歩圏内にある寺院なので、様々な手段でアクセスできます。利用者専用の駐車場があるので、自家用車でのアクセスにも便利です。

京都駅から歩くと、15分程度で東寺に辿り着きます。JR東京駅からは、新幹線に乗ると約120分で京都駅に到着します。伊丹空港から東寺に向かう場合は、大阪空港リムジンバスで約50分です。東寺の境内には、参拝者専用の駐車場が50台ほど用意されています。駐車場は有料で、普通車やタクシーの場合は2時間で600円です。自転車やバイクを利用する場合は、2時間で200円になります。

まとめ

空海が密教の教えを取り入れた東寺は自然にも恵まれ、境内には多くの参拝者が訪れています。昔から有名な京都の名所ですが、見どころが多く世界遺産に登録されてからは更に注目度が上昇中です。

日本初の密教寺院を訪れると、空海が表現した密教の世界を堪能できます。京都駅から歩いて行ける距離なので、観光だけでなくショッピングや食事も楽しめます。東寺には美しい庭園もあり、庭園は季節によって雰囲気が変わりデートにも利用できます。

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