京都は日本を代表する観光地のひとつで、国内外から毎年5千万人以上の観光客が訪問しています。市内中心部や周辺エリアには、多くのお寺(仏教寺院)があります。京都市内にあるお寺の中には総本山に指定されている格の高い寺院もあり、国籍を問わず多くの観光客が訪れています。
ここでは京都市内の寺院を知名度や来訪者順にいくつか紹介しています。観光で京都を訪れた際は、まずランキング上位の有名なお寺を訪問してみることをおすすめします。
第1位:知名度・訪問者ナンバーワンの清水寺
2019年度の京都市産業観光局観光MICE推進室の京都観光総合調査によると、市内の観光スポットの中で一番訪問者が多かった寺院は東山にある「清水寺」でした。
清水寺は観光客の5人に1人が訪問する人気スポットで、仏教寺院以外の施設を全て含めてもトップになるほどです。有名な清水の舞台は江戸時代から観光スポットとして知られており、義務教育課程の教科書にも掲載されています。境内には国宝である本堂のほかにも、国の重要文化財に指定されている建物がたくさんあります。世界遺産であることから、外国人観光客にも人気があります。
清水寺は建物や仏像を見るだけではなく、仏教を体験することができる施設が用意されています。境内にある「随求堂」では「胎内めぐり」ができ、真っ暗な暗闇の中にある大随求菩薩(秘仏)にお参りをすると1つだけ願いが叶えられるといわれています。本堂の舞台の下側には有名な「音羽の滝」があり、水を飲むと「健康」「恋愛」「学業成就」の御利益があることで有名です。
第2位:金箔に覆われて黄金色に輝く金閣寺
京都市内の観光スポット・人気ランキング第2位は、北区にある金閣寺(鹿苑寺)です。金閣寺の一番の見どころは黄金色に輝く3層の楼閣建築の舎利殿です。
このお寺は1397年に室町幕府3代将軍の足利義満の別荘として建てられ、北山山荘と呼ばれていました。足利義満が亡くなった後に仏教寺院になりましたが、1950年(昭和25年)に放火によって当時の建物が焼失してしまいました。ですが放火の前に建物の詳細な設計図が作成されていたので、以前と同じ建物が再建されて現在に至ります。消失前は3層部分にのみ金箔が残っている状態でしたが、再建後は建築された当時と同じように建物全体が金箔に覆われて黄金色に輝いています。
1994年に世界遺産に指定されたことで海外にも知られるようになり、金閣寺は外国人観光客の間で人気の高い観光スポットのひとつとなっています。金閣寺は京都市街地から離れた場所に位置していますが、京都駅から市バス205系統北大路バスターミナル行きに乗車すれば乗り換えなしでアクセスできます。
第3位:落ち着いた佇まいの銀閣寺
京都市内のお寺の人気ランキング第3位は、左京区にある銀閣寺(慈照寺)です。銀閣寺は金閣寺と同じ臨済宗相国寺派の寺院で、1489年に室町幕府第8代将軍足利義政により建てられました。
本堂の銀閣は楼閣建築(木造2階建)で、武家政権を中心に発達した室町文化の特徴を見ることができます。境内では美しい庭園を眺めることができ、重厚かつ質素な「わび」「さび」の世界が味わえるでしょう。ちなみに足利義政は銀閣が完成する前に亡くなってしまったので、完成した姿を目にすることはできませんでした。
銀閣寺の近くには琵琶湖疏水と「哲学の道」が続いており、春になると満開の桜を見ることができます。哲学の道沿いには「法然院」や「熊野若王子神社」などの有名な観光スポットがあるので、時間があればこちらにも訪問することをおすすめします。銀閣寺の北側には有名な京都五山送り火のひとつである左大文字に続く登山道の入口があり、山に登ると斜面に設けられている「大」の字の火床を近くで見ることができます。
第4位:湯豆腐発祥の地の南禅寺
京都市内のお寺の人気ランキング第4位は、左京区にある南禅寺です。こちらのお寺は臨済宗南禅寺派大本山で、境内には石川五右衛門で有名な三門(天下竜門)や明治維新後に琵琶湖疏水を通すために建てられたレンガ造りの水道橋などの見どころがあります。境内にある庭園は紅葉の名所としても有名で、11月になると境内に植えられたモミジが真っ赤に染まります。
南禅寺エリアは湯豆腐発祥の地としても知られており、永観堂に向かう道の途中にある「奥丹」は京都最古の湯豆腐専門店です。またお寺の周辺には「奥丹」の他にも「順正」や「菊水」などの湯豆腐の名店があります。寒い時期に南禅寺を訪れた際は、熱い湯豆腐で体を温めることができます。
南禅寺の近くには永観堂(禅林寺)・天授庵・琵琶湖疏水記念館・京都市動物園・平安神宮・岡崎神社・哲学の道などの観光スポットがあるので、1日をかけてじっくり散策してみるのもいいでしょう。
まとめ
京都市内には多くのお寺があり、世界遺産に指定されていて世界的に有名な施設もあります。お寺の周りには徒歩圏内に複数の観光スポットがあるので、時間をかけてゆっくり散策してみることをおすすめします。
ここで紹介したお寺はいずれも紅葉の名所として知られており、11月から12月にかけての時期になると多くの観光客で賑わいます。紅葉の時期に京都観光を予定している方は、早めに宿泊施設等の予約をするようにしましょう。