京都には金閣寺や伏見稲荷大社など全国的に有名で、なおかつ長い歴史を持つ観光スポットがたくさんあります。その中でも主要な観光地と言われれば、真っ先に清水寺を思い浮かべる方も多いことでしょう。テレビ番組や旅行雑誌でも大きく取り上げているため多くの方がご存知と思います。ここでは「清水の舞台から飛び降りる」という故事で有名な本堂はもちろん、音羽の滝など魅力的なスポットやアクセス方法について解説します。
清水寺とは?その歴史を知ろう
清水寺は、京都府京都市は東山区エリアにある寺院の1つです。古くから知られる清水の舞台はもちろん、重要文化財を数多く所有しており世界遺産にも登録されています。清水寺の創設は古く、約1200年前にあたる奈良時代の778年に建立されました。庶民に対しても開かれており、大きな慈悲の象徴である観音さまの霊場として多くの人々に親しまれていた場所です。古い文献や文学書にも、当時の民衆が清水寺に参拝していたことが記されていて、今も昔も変わらぬ信仰を集めていたことが分かります。
また音羽山の中腹にそびえる形で本堂があり、約13万平方メートルもの境内が広がっています。その敷地内には国宝・重要文化財を中心とした伽藍や碑などが建ち並んでおり、いくつもの観光ルートが存在していて四季折々の風景を楽しむことができます。なお、建造物のほとんどは幾度も火災によって焼失しており、現代においてはその多くが1633年に再建されています。
清水寺のおすすめの回り方
おすすめの観光ルートとしては、善光寺堂から回るコースです。時間を無駄にすることなく、多くのスポットを巡ることができます。馬駐を経て最初の見どころである、重要文化財の仁王門をくぐりましょう。二階建ての楼門には、京都でも最大級である二体の仁王像がそびえたっています。左隣にある鐘楼も重要文化財であり、極彩色の柱が見事です。
奥へと進み、西門をくぐると珍しい鬼瓦をのせた三重塔が見えてきます。さらに随求堂、経堂と歩みを進めていき、北総門にある千体石仏も忘れずにチェックします。成就院と庭園を見た後に、ようやく見えてくるのが清水寺の本堂です。本堂での見どころ・巡り方は後述しますが、この後は地主神社や納経所を巡ったり釈迦堂・阿弥陀堂を回るのがオススメです。
御朱印帳を持っている方は、次の目的地である滝の堂に寄るのを忘れてはいけません。滝の堂を過ぎれば、本堂に次ぐ見どころである音羽の滝があります。山のふもとから中腹まで歩くボリュームたっぷりのコースなので、歩きやすい服装・靴が必須です。
飛び降りなくても良い!清水の舞台の楽しみ方
山の斜面に対して突き出る形で建てられた清水寺の本堂は、懸造りという様式の建物です。古来より飛び降りるとされる清水の舞台とは、本堂のせり出したオープンテラスのような部分のことを指しています。もちろん舞台の部分には大きな手すりが施されており、誤って飛び降りてしまうことはないので安心してください。本堂では、伝統的な木造の床を歩きつつ、高い舞台からの絶景を楽しむことができます。子安塔をはじめとした山々の風景や、遠くにたたずむ京都市街地の様子を堪能しましょう。
高所からの風景だけでなく、歴史ある本堂の内部にも見どころがたくさんあります。本尊である十一面千手観音像が祀られており、その姿が描かれた銅の円盤は見事の一言です。伝統的な様式で建てられた、本堂の柱や内装もしっかりと拝観しておきたいポイントですね。また建物の外観も荘厳な造りであり、檜皮屋根など日本ならではの建築様式を楽しめます。春は桜で秋には紅葉、冬は雪景色など季節によって違う姿を見られるのも本堂の魅力です。
清水寺へのアクセス方法
清水寺へのアクセス方法はいくつかありますが、まずはJR京都駅からのルートなら京都市交通局の市バスを利用するのがスムーズです。206系統の東山通北大路バスターミナル行きのバス、もしくは100系統の銀閣寺行きのバスに乗って、五条坂で下車してから徒歩10分の距離です。また土日であれば18系統の大原行きのバスでもアクセスできます。
JR京都駅の他にも、阪急電鉄の河原町駅や、京阪電鉄の祇園四条駅からも清水寺に行けます。こちらの場合は207系統および83系統に乗り、清水道にて下車してください。同じように、降車してから10分ほど歩けば到着します。また、京阪電鉄の清水五条駅からは歩いて向かうことも可能です。
注意したい点は、清水寺の境内に駐車場がないことです。京都市が運営する駐車場や、参道のふもとなど周辺エリアには駐車場がいくつか存在していますが、年間を通して観光客で混み合っているため、公共交通機関を使ってアクセスした方が無難です。
まとめ
古来より人々から親しまれてきた清水寺とその境内には、歴史的に貴重でなおかつ魅力的な建造物や国宝・重要文化財が溢れています。有名な本堂や仁王門以外にも、30を超えるスポット・見どころがあるため時間に余裕を持って訪れたいところです。美しい自然に囲まれており季節によってさまざまな表情を見せるため、過去に訪れたことがあってもぜひもう一度巡ってみることをおすすめします。特に桜の季節や、紅葉シーズンは感動すること間違いなしです。